宮崎あかね先生(本学副学長・理学部教授)による「水から見る地球環境問題」と題しての講演は大変興味深いものでした。墨田区は川に囲まれた下町で、東京湾に流れ込む隅田川や荒川の「水」を身近に感じて過ごし、また様々な施設に雨水を積極的に利用している地域です。宮崎先生は、ご専門の環境化学の講義の中で墨田区の特徴にも言及してくださり、思わず引き込まれる内容のお話から始まりました。
「水圏」は「大気圏」同様に、一国では解決できない「ローカル&グローバルな問題」であること、水問題の解決には相当な技術とエネルギーコストが必要であるということをご説明くださいました。さらに、日本政府代表顧問を勤められ、人権問題を討議する国連第三委員会へのご出席の経験も踏まえて、「きれいな水・安全な水」について、私たちは正しく把握できているかをお示し下さり、目が開かれる思いでした。講演後には、高齢の参加者が挙手して質問をするという、「さすが女子大の卒業生!」という場面もありました。墨田支部会員16名、他支部・一般12名の合計28名の参加で、にぎやかに実施できました。
会場となった向島百花園の「お成座敷」は、日ごろ食事会やお茶席などで使われていますが、今回は畳の上に椅子を用意して、快適に聴講できました。また、9月下旬の向島百花園は「萩のトンネル」が有名で、講演会の開始前や終了後に、思い思いに百花園散策を楽しむ一日でした。
講師派遣事業利用による講演会は、本学の先生方が桜楓会会員および一般向けに講演をしてくださり、貴重な学びのできる、満足度の高い催しです。しかし準備をする側にとっては、会場確保の苦労や、「参加者が少なかったらどうしよう、講師の先生に申し訳ない・・・」というような不安があることも事実です。世代を超えて多くの方々に「他支部・一般の友人を誘って、大学の先生の講演を聞きに行ってみよう」と思って頂けるように、桜楓会HPやLINE等で頻繁に講演会情報を更新し、PRしていくことが大切だと痛感しました。
(1978年卒 新28英 支部長 町 妙子)