婦人国際平和自由連盟は1915年第1次世界大戦の最中に、欧米の女性たちが、敵味方の国の垣根を越え、武力に依らない平和を求め国際的な反戦運動や女性参政権運動を展開したことに端を発する。日本支部は1921年に発足し、戦後は世界で唯一の被爆国として核なき平和とジェンダー平等をめざして活動している。日本支部創設の起点には成瀬先生の平和思想を引き継いだ井上秀、上代タノが、その後、多くの母校の教授陣が牽引したことから、今も母校の構内に事務所を構えている。
10月24日(金)にセシオン杉並ホールで開催した映画会は、今年で17回目となった。世界の平和を願い、この活動を継続するために、先輩方のお力をお借りし、良質な作品を選定して多くの皆様にご覧いただいている。
「港に灯がともる」は、阪神淡路大震災から30年の今年、初めて劇場公開された。39歳で病死した精神科医安克昌氏を描いた「心の傷を癒すということ」が、この作品の前段にある。今回は、その弟の安成洋氏がプロデュースした。震災、在日、心の傷を修復すること、多文化共生社会と多くのテーマが重なり合い、主演の富田望生氏の熱演に揺さぶられる。観る人の体験とオーバーラップさせながらそれぞれに感動と思索を深めていただけたと思う。来年もご来場をお待ちしている。
高崎方子(新25教)

