
2024年12月1日、鎌倉市中央図書館にて三浦冨美子先生の講演会が開催されました。
1928年神戸市生まれの三浦先生は、1945年に神戸空襲を経験した後、父親の赴任先である長崎へ避難しました。同年8月9日、原爆投下により被爆。爆心地から約6km離れた長崎連隊司令部で事務をしていた際に爆風で負傷されました。体内に残ったガラス片は後年になって手術を受けた際、医師から驚かれたといいます。
しかし、三浦先生は「命が助かったからには学び続けなければ」との強い信念を持ち、翌年日本女子大学英文科に進学。さらにアメリカで修士号を取得し、慶應義塾大学で教鞭を執られました。2000年には、がんとの闘病を経て歌集『ピンクの小薔薇』を出版し、命の尊さを詠み続けられました。
講演では「あの時死ななかったのだから、目的を持って大事に生きなければ」と語り、戦争の悲惨さと平和の大切さを訴えられました。先生の言葉に深く胸を打たれ、戦争の記憶を未来へつなぐ責任を改めて感じました。講演から10日程後、96歳でご逝去されましたが、その証言は今後も多くの人々の心に生き続けることと思います。
また、10月に開催された鎌倉支部の懇親会では、三浦先生はフレンチのコース料理を完食されるなど、95歳とは思えないほどお元気な姿を見せてくださいました。日本女子大学名誉教授の故・宮崎礼子先生のご紹介により、桜楓会鎌倉支部に加えていただき、またこのような貴重な出会いをいただいたことに深く感謝しています。
佐藤直子(新37・経)