川越支部 第52回支部総会・研修会 開催報告

第52回桜楓会川越支部総会・研修会を2024年6月23日(日)10時30分より、ウェスタ川越2階活動室1にて開催しました。今年の総会は川越支部創設51年目となりました。支部会員79名のうち、当日は33名の出席と34名からの委任状をいただき、本総会は開催されました。

総会に参加された皆さんと記念に

総会の議事として2023年度事業報告・会計報告・監査報告、2024年度事業計画・会計予算、川越支部内部規約改定、役員改正について審議され、承認されました。菅原新支部長の挨拶後、本部役員報告、会員動静報告があり、11時40分に総会は閉会しました。

午後の研修会は、13時30分より、日本女子大学人間社会学部社会福祉学科教授・日本女子大学ダイバーシティー委員会委員長小山聡子先生を講師にお迎えして講演会を開催しました。ご講演は小山先生より「トランスジェンダー女性と日本女子大学―性の多様性を人権の観点から問い直す―」という演題でお話しいただきました。小山先生ご自身の立ち位置=みなさんと「共に」という姿勢や、性の包摂を理解するにあたり、SOGI(「性的指向(Sexual Orientation)」と「性自認(Gender Identity)」を組み合わせた用語)、包摂(排除の反対に位置する言葉。社会的に弱い立場にある人も含め、全ての位置にいる人々を取り込み、支え合う考え方)という言葉について説明していただきました。性のグラデーションの中で、自分の立ち位置を確認することが大事であると言及されました。

小山聡子教授による講演の様子

先生は、性の多様性をめぐる国内外の状況を振り返るともに、日本女子大学が「トランスジェンダー女性に出願資格を拡大するという機関決定」をする前後を振り返り、組織変革という観点から、この取り組みについて、ご教示くださいました。また、決定後の準備過程における学園内教職員の代表的意見とガイドラインを中心に実務的な内容についても紹介してくださいました。

実際の受け入れに向けた体制整備期には、時に寄せられるネガティブな意見一つ一つに丁寧に向き合い対応し、それら意見から学ぶ姿勢により、懸念や心配を遠慮なく言える雰囲気が醸成されたとのことでした。そのような時こそ、対話や気持ちをくむこと、学ぶ努力をすることが重要だと思いました。

日本女子大学では「すべての女性が共に学ぶためのガイドライン」が策定され、日本女子大学HPにて公表されています。https://www3.jwu.ac.jp/fc/public/diversity/guideline.pdf
こちらもぜひご参照いただければ幸いです。

社会的包摂の実現には、様々な課題がありますが、仕組みを整えたり、一つ一つの意見をよく聴き、組織変革につなげたりすることは、どの組織・どの社会でも取り組んでいく必要があると思います。人権を守るための取組みから、希望と多くの学びをいただいたことに感謝したいと思います。

(2024年度広報係 新53心 石田陽子)